制度づくりで終わらない。HOPは会社の「町医者」です

こんにちは。

少しだけ想像してみてください。「このままで、5年後も会社は健康でいられるだろうか?」と。もし不安に感じることがあれば、それは会社が黄色のシグナルを発しているのかもしれません。

HOPの主な仕事は、「人と組織の基盤づくり」です。対象となるのは、規模が拡大し始めたベンチャー企業や、世代交代で第二創業期を迎えた企業。いずれにも共通するのは、「このままでは、壁にぶつかりそうだ」と感じ始めていることです。

組織の基盤とは、制度やルールなどの目に見える「かたち」を整えることに加え、人がいきいきと働き続けるための環境——目に見えない信頼、公正さ、何より健全で明るい組織文化が必要だと私たちは考えています。

制度やルールの背後には、そのもとになる理念や価値観があります。それを皆が理解し共有していること。これが「自走する組織」の要件です。組織の基盤づくりは、単に制度をつくるだけではなく、”なぜこの制度なのか”を皆が語れるようにすることが重要です。

 

STEP1 組織分析|組織を”診る”という仕事

人と組織の基盤づくりの最初におこなう「組織分析」は、企業の健康診断です。私たちは「町医者」のように、調子の悪い部分を見つけ出してカルテを作成します。

最初に行うのは「問診」——社員へのインタビューです。人体がさまざまな細胞からできているように、会社は人で成り立っています。だから、社員の声を聞けば組織の健康状態が見えてきます。違和感や悩みを丁寧にすくい取り、課題を分析し、レポートにまとめていきます。

同時に、就業規則や組織図といった制度やルールもチェックします。制度には会社の社員に対する姿勢が表れています。また、組織図には、会社の業務がわかりやすく整理されているか、機能と役割は明確で組織間の連携が図れているかが表れています。経営メンバーに自社の組織図を書いてもらうと、正確に書けないことが意外に多いのですが、それは会社の全体像と組織のつながりが頭の中で整理されていないからなのです。

シンプルで、機能的で、美しい。そんな組織は、人を気持ちよく動けるようにします。

 

STEP2 人事制度の整備|会社の背骨をつくる

人事制度をつくることは、会社をつくることでもある。私たちはそう考えています。

その最初に欠かせないのが「企業理念」の確認です。企業理念は、組織の根幹をなす「背骨」のようなもの。人の採用・育成・評価の裏側には、その会社が何を目指し、どういう価値観を大切にしているかという、企業理念の存在が不可欠です。

そして、理念という「背骨」を、ルールや制度という「手足」につなげる「神経」の役割を果たすのが人事ポリシーです。

企業理念はあるが、社員は知らない、あるいは無関心である。それは、背骨はあるけれど、それが手足につながっていない状態です。

土台となる理念や価値観を明確に整理し、人事制度を通じてそれを会社全体に行き渡らせる。採用で大切にする視点、育成で伸ばすべき力、評価で見るべき行動——すべてが企業理念によって導かれていきます。「良い会社」とは、企業理念が空気のように自然と行き渡っている会社だと思うのです。

 

STEP3 意思決定の仕組みづくり|誰が何を決めるのか

人事制度の整備と並行して必要になるのが、組織を動かす「意思決定ルール」の構築です。

承認を取ったと思って、安心して進めた案件が、後になってどこかから反対意見が出てひっくり返る。「誰が、何を、どのように」決めるのかという大事なルールがないと、「そんな話、聞いてなかったよ」という声が頻繁に聞こえてくるようになり、組織の中に疑心暗鬼を生んだり、何もしないでおこうという後ろ向きの意識が広がっていきます。こうした混乱を避けるため、組織には必ず、明確な「意思決定ルール」が必要になるのです。

会社の活動を分野ごとに分けて、承認を必要とする事項を抽出し、意思決定者を明確にする。例えば、お金なら「部長は30万円までの経費使用OK」とか、人事なら「採用の最終決定は取締役」といったルールを明確にすることで、組織は滑らかに、気持ちよく前に進み始めます。

意思決定のルールをつくるのは、実は「自由」を与えることでもあります。しかし、多くの人は、その逆の「してはならないこと」を定めるものだと考えています。そうではなく、仕事は基本的に、自由に創意工夫して進めてもらうものです。「でも、これだけは会社の承認を取ってから進めてね」という事項をまとめたものが、意思決定のルール、いわゆる「職務権限規程」です。ルールに書かれていないことは自由にやっていい。その考え方が、自由で創造的な組織風土をつくるのです。

 

STEP4 運用する(学ぶ・伝える・つなぐ)|人と組織が自律的に動きだすために

どんなに良い制度でも、社員がそれを自分のものだと思えなければ、いずれ形骸化していきます。ルールや制度は、つくって終わりではなく、「みんなのもの」にしなければ定着しないのです。

HOPは、最初から「浸透」と「定着」を見据えて、制度を組み立てていきます。検討を開始する時と中間段階で、社内にフィードバックをおこない、進捗状況を丁寧に社内に情報開示し、共有を図ります。プロセスを共有することで、議論に参加していない人たちも受け入れやすくなるからです。

制度の浸透・定着に向けて、HOPは「学ぶ・伝える・つなぐ」を大切にしています。情報共有のための会議体の適切な運用や、単に知識やスキルの習得に留まらない考える研修の実施、さらには会社の外の人々と交流し、視野を高め、ネットワークを広げる学びの場の提供を行っています。こうした機会を積み重ねることによって、人と組織は自律的に動き始めます。

 

HOPのゴール——「自立できる企業」へ

私たちの最終的な目標は、意外に思われるかもしれませんが、「いなくなること」です。

会社で、組織で、働くということは、本来とても楽しいことなのです。クライアント企業の一人ひとりがそのことに気づき、人と組織が自律的に動き始め、その状態が持続する。それこそが私たちの目指しているゴール、「強く、美しい会社」なのです。

 

フラッグシップ株式会社との会食

クライアントとの会食にて(フラッグシップ株式会社)。様々な視点から考えを分かち合う、クリエイティブな時間に

 

(編集 / エドゥカーレ)