HOPは、企業向けのマネジメント研修を提供しています。
その目的は、組織運営に向き合うリーダーたちが、自ら未来を描き、互いに協力してそれを共に創り出す姿勢を育むことです。
「頭で考え、心で感じる」——これはHOPの研修において、常に受講者に伝えている最も大切な学びのスタンスです。
“自分はどう考えるか”、“自分はどう感じるか”。身の回りの小さな違和感を見逃さず、その原因を探り、対処や解決の方法を考える。最初の一歩は、ここから始まります。
一人ひとりが感じ、考えることで、組織は動き始めます。
もうひとつ大切にしているのは、「学ぶ、伝える、つなぐ」です。
“学ぶ”とは、知らなかったことを知り、見えなかったものを見て、視野を広げること。“伝える”とは、知恵を分かち合い、信頼を築いていくこと。“つなぐ”とは、世界を広げ、協力して未来を切り開いていくこと。
チームで働くことによって、組織は一人では成し得ない成果を生み出します。
一見すると対立するように思える「自由」と「連帯」——実はこの二つは、互いに支え合っています。個人の自由を尊重しながら、組織の連帯を深めていく。そういうマネージャーが一人でも多く育っていくために、HOPはマネジメント研修に取り組んでいます。
今回は、島根県・石見銀山に本拠を構えるライフスタイルブランド「群言堂」で実施したマネジメント研修の実践をご紹介します。
半年間にわたる研修を通じて、参加者たちがどのように変化し、これから組織にどのような影響をもたらしていくのか。その過程、成果、そして未来への期待をお伝えします。
■目次
- 「HOPのマネジメント研修」とは?
- 群言堂ってどんな会社?
- 研修で育まれた視点
- 成果発表会で見えた“自分ごと”の変化
- 会社の決定は「社員一人ひとりの決定の積み重ね」
- 研修のゴールは「学びを通じて変わること」
- 未来へ向けて——始まりとしての成果発表会
「HOPのマネジメント研修」とは?
HOPのマネジメント研修は、知識やスキルを身に付けるのではなく、二つとして同じもののない、そして唯一の正解のない、具体的な問題に対する判断軸を作り上げるプログラムになっています。
そのために、まず“見る力”と”考える力”を養う方法を学びます。そして、会社とは、働くとは、組織とは、マネジメントとは、など、忙しい日常ではあまりじっくり考えることのないテーマを、具体的な人事や労務のケーススタディも交えながら、ともに考えていきます。
そして、グループワークを通じて、会社のことを知り、仲間のことを知り、マネージャーとして自分が何をすべきなのかを考えます。目的は「他者の力を借りながら、自分の視野を広げ、足場を固め、協力して成し遂げることのおもしろさを知る」ことです。
研修が終わった時に、今までとは違った世界が見えている、新しい自分がいる。そんなゴールを目指して、プログラムは進行します。
群言堂ってどんな会社?

群言堂グループは、島根県・石見銀山に本拠を構え「根のある暮らし」をコンセプトに、衣食住にまつわる商品や体験を届けるライフスタイルブランドです。
地域に根ざしながらも、全国や海外にも展開を広げています。長らく強力な創業者が牽引してきたこの会社は、2年前に次世代の経営陣へバトンが渡され、「みんなの力で会社をつくる」体制に移行しつつあります。
こうしたタイミングで組織・制度の整備や人材育成のご相談をいただき、HOPは2023年からサポートをおこなっています。

最初の半年は、まずは経営メンバーを対象とした研修を実施し、会社の未来をどのように描いていくかを議論する土台づくりをおこないました。そして、その次のステップとして、ミドルマネジメント層に向けた研修をスタート。
部署横断のプロジェクトやチーム単位の提案が求められるなど、組織のあり方も変化するなか、マネジメント層においても、従来の「現場を守るリーダー」から「組織全体を見渡し、未来を描けるマネージャー」への変化が求められていました。
今回のマネジメント研修は、各部署のリーダーを中心に、経営メンバーを支え、現場を動かしていく「組織の中核」としての力を育むことを目的としています。
本稿では、その研修の概要をお伝えします。
マネジメント研修で育まれた視点

本研修では、以下のような観点から、参加者自身が問いを深めていきました。
他者との対話から気づきを得ること
制度や仕組みの“なぜ”を問い直すこと
部署を越えて物事を捉えること
研修は単なる座学ではありません。職場での具体的な課題について対話する中で、「会社を自分ごととして捉える姿勢」や「当事者として動く意志」が育まれていきました。
一方的なレクチャーではなく、参加者自身が問いを立て、対話し、考えを深める時間を多く取りました。参加者からは「知識のインプットより、問い直す時間が多く、考えさせられた」「他部署の視点に触れることで見え方が変わった」といった声が寄せられました。
成果発表会で見えた”自分ごと”の変化
マネジメント研修は、全6回、期間は半年でした。最終回はこれまでの学びを踏まえた成果発表会を実施しました。
10名の受講者が3つのチームに分かれ、自分たちが今、会社の課題と思うテーマを抽出し、その課題に会社はどう取り組むべきか、マネージャーとして自分は何をすべきかを考えてもらいました。

1つ目のチームは「社員の成長を支える仕組み」をテーマに、学びのサポート制度の構築や小さなプロジェクトを起点にした部署横断的なチーム連携を促進する制度を構想しました。
2つ目のチームは「多様な働き方に寄り添う組織」をテーマに、無期雇用制度や地域限定正社員制度の導入、現場と本部をつなぐ仕組みの設計を提案。
3つ目のチームは「ブランドの未来をつくる出会い方」として、宿泊体験、家族向けイベント、セミオーダー商品など、「こと」から始まるブランドづくりを企画しました。どのチームも、社内の課題を様々な視点から捉え、具体的な改善策を提案していました。
社員の皆さんは、研修で集まる時間だけでなく、忙しい仕事の合間の時間も使いながら丁寧に話し合い、提案をまとめ上げており、どのチームの発表も中身の濃い、素晴らしいものとなっていました。
発表後には、各チームの代表がそれぞれの気づきを共有。「”聞くは8割、話すは2割”の姿勢で面談に臨むようにしたところ、以前よりも自然体で対話できるようになった」という声や、「普段の役職を離れた対話の場だからこそ、自分でも気づけなかった感情や視点に出会えた」という振り返り、「知識よりも、他者との対話を通じて何かが生まれることの価値を強く実感した」などの学びの体験が語られました。
会社の決定は「社員一人ひとりの決定の積み重ね」

発表の締めくくりには、群言堂グループ代表の松場忠さんと、取締役の峰山由紀子さんから、あたたかいコメントが贈られました。
松場さんは、「制度や数字の背景にある『なぜ』を理解することは、マネジメントにおいてとても重要です。皆さんがルールの裏側にある意図まで考えて改善策を出してくれたのが、何より嬉しかったです」と感想を述べられました。
峰山さんは、「発表では、”全体最適”の視点が根づきつつあると感じました。誰かに頼るのではなく、自ら会社の課題に向き合い、声を上げ、提案する。当事者意識が、発表の随所に表れていたと思います。また、働く場所や役割に関係なく、社員一人ひとりが”根のある暮らし”を実現できるようにしたいという想いも、皆に共通するものでした」とコメントされました。
会社の判断は、”誰かがどこかで勝手に決めたこと”ではなく、”自分たちの決定の積み重ね”である、という実感を、参加者一人ひとりが持ち帰る場となったようです。
研修のゴールは「学びを通じて変わること」

私たちは、半年間の中で、参加者が“会社のことを自分ごととして捉えられるようになった”変化をひしひしと感じました。最初は受け身だった姿勢が、最後には自ら考え、行動する力へと変わったことは、大きな成果の一つです。
部署を超えて一緒に何かを成し遂げる楽しさや可能性を、参加者が言葉にしてくれたのがとても嬉しかったです。
制度改革、文化の再設計、未来顧客の創造、という発表内容は、 “自分たちの手で会社を良くしていく”という当事者意識が現れていて、今はまだ小さな一歩かもしれませんが、その意識がやがて会社全体を動かす大きな力になっていくのだと思います。
未来へ向けて——始まりとしての成果発表会

研修は、受けて終わりではなく、始まりです。
この研修での体験を一過性で終わらせるのではなく、日々の業務の中で「実行」へと育てていくこと。その積み重ねが、未来の組織をかたちづくっていきます。
私たちは、企業の町医者として、これからも、「強く、美しい会社」づくりに取り組んでいきます。HOPのマネジメント研修にご興味がある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。